※本記事は筆者の実体験と個人的な考えをまとめたものです。特定の金融商品の購入を勧めるものではありません。
結論:農家の資産運用は、SBI証券と楽天証券の二択でいい
先に結論から書きます。
農家が資産運用を始めるなら、SBI証券か楽天証券のどちらかで口座を開けば十分です。私はこの2つとも口座を持っていますが、メインはSBI証券で、NISAもSBI証券でやっています。
理由は4つです。
- 手数料が安い
- 選べる商品が多い
- 対面しなくていい(農繁期に窓口へ行く時間はありません)
- 営業されない
最後の1つが、私にとっては一番大きい理由でした。
農家の実感
農作業や出荷で運転中に電話が鳴って、「いい商品が入りました」と言われる。あの時間が私には要らない時間でした。ネット証券にしてから、その電話が一切なくなりました。
農家の投資話が、どうも噛み合わない
最近、農家仲間と話していて、投資の話題が出ることが増えました。
ただ、その会話がどうも噛み合いません。だいたいこういう形で始まります。
「今どき投資してないと厳しいよ」
「おれはNISAやってる。まあまあ調子いいよ」
ここで終わってしまうんです。何を、どこで、どういう考えで買っているのかという話が出てきません。だから聞いている側は「そうなんだ」としか返せず、参考にもなりません。
これは悪気があるわけではないと思います。そもそも中身を説明できる状態で始めていないのだと思います。窓口で勧められたものを、勧められるままに買った。だから商品名も手数料も出てこない。
もったいない話だと思いました。せっかく始めているのに、続けるかどうかの判断材料を自分で持っていないからです。
だから私は、自分が何をどういう理由で選んだのかを書き残しておくことにしました。同じ農家の方が読んだときに、自慢話ではなく判断材料になるように。
JAバンクや郵便局が「入口」になりやすい理由
農家に話を聞くと、運用先はJAバンクか郵便局であることが多いです。
これは自然なことです。農家にとってJAは、いちばん身近な金融機関だからです。共済も、資材の支払いも、出荷の精算もJAを通ります。窓口の担当者とは顔見知りで、話しやすい。郵便局も同じで、集落の中にあって行きやすい。
だから私は、JAバンクや郵便局が悪いとは思っていません。役割が違うと考えています。
日々の入出金、営農資金、共済といった本業まわりは、JAが圧倒的に使いやすい。私もJAの口座は今も使っています。
ただし、資産運用の商品を買う場所としてはどうか、というのは別の話です。ここは一度、次の2つだけ確認してみてください。
確認すること1:手数料はいくらか
投資信託には、買うときの手数料(購入時手数料)と、持っている間ずっとかかる手数料(信託報酬)があります。
このうち効いてくるのは信託報酬です。持っている間ずっと、毎年かかり続けるからです。長く持つほど差が開きます。
対面の窓口で勧められる商品は、この信託報酬が高めのものが混ざっていることがあります。買う前に必ず確認してください。「この商品の信託報酬は年何%ですか」と聞けば教えてもらえます。
確認すること2:何本の中から選んだのか
窓口で提示されるのは、たいてい数本です。ネット証券は取扱本数が桁違いに多く、その中から自分で選べます。
選択肢が3本しかない中の1本と、何百本の中から選んだ1本は、意味が違います。
ここだけ押さえよう
JAや郵便局を使うなというのではありません。
「信託報酬は年何%か」「何本の中から選んだか」の2つを確認する。それだけで判断が変わります。
ネット証券を選んだ4つの理由(農家目線)
私がネット証券にした理由を、農家の事情に引きつけて書きます。
1. 手数料が安い
ネット証券は投資信託の購入時手数料が無料のものが多く、信託報酬の低い商品も自分で選べます。
手数料は、自分でコントロールできる数少ない要素です。相場は読めませんが、手数料の高い商品を避けることはできます。ここは確実に効きます。
2. 商品が豊富
窓口では出てこない「信託報酬の低いインデックスファンド」が普通に買えます。選択肢が多いこと自体が価値です。
3. 対面しなくていい
これは農家にとって大きいです。摘果や収穫の時期に、平日の昼間、窓口に行けるか、というとだいぶ面倒です。
ネット証券なら、夜、家に帰ってからスマホで手続きが終わります。積立の設定をしてしまえば、あとは農繁期に何もしなくても勝手に積み立てが続きます。
4. 営業されない
私にとってはこれが決め手でした。
対面の金融機関には営業があります。担当者に悪気はなくても、勧められれば断りづらい。特に地域の顔見知りだと、なおさらです。
ネット証券には、その電話がありません。自分で調べて、自分で決めて、自分で買う。誰にも気を遣わなくていい。この気楽さは、一度慣れると戻れません。
SBI証券と楽天証券、どちらを選ぶか
では2つのうちどちらか。私は両方に口座を持っているので、使ってみた実感を書きます。
| SBI証券 | 楽天証券 | |
|---|---|---|
| 商品の豊富さ | ◎ こちらが上 | ○ 十分に多い |
| 画面の見やすさ・使いやすさ | ○ 慣れは必要 | ◎ こちらが上 |
| 私の使い方 | メイン。NISAもこちら | サブ。相場の確認に使うことが多い |
商品の豊富さならSBI証券、画面の見やすさ・使いやすさなら楽天証券、というのが両方使った上での実感です。
私はメインをSBI証券にして、NISAもSBI証券で開いています。長く持ち続けるものだから、選択肢が多い方を選んだというのが理由です。
一方で、楽天証券の画面は本当に分かりやすいです。投資の画面を見るだけで疲れる、という方は楽天証券から始めた方が続くと思います。続かなければ意味がないので、これは軽い理由ではありません。
農家の実感
迷ったら、どちらでも構いません。両方とも口座開設は無料で、維持費もかかりません。実際、私は両方開いてから決めました。開いてから比べるのが、いちばん早いです。
農家だからこそ、考えておきたいこと
ここからは、一般的な投資の記事にはあまり書かれていない、農家ならではの話です。
収入が年に一度に偏る
これが会社員と決定的に違うところです。りんごは秋から冬に収入が集中します。毎月一定額を給料からというやり方が、そのままは当てはまりません。
私は、収入が入る時期に一年分をまとめて考えるようにしています。毎月の積立額を、年間で払える範囲から逆算して決める、という順番です。
農繁期に「今月は苦しい」と思って積立をやめてしまうのが一番よくないので、感情的に焦らない金額に設定して続ける方がいいです。
お金の置き場所を分ける
農業は、資材費や機械の修理代が突然出ていきます。ラジエーターが漏れた、機械が止まった、という出費です。
だから投資に回すお金と、いつでも使えるお金は完全に分ける必要があります。手元にお金を残さないまま投資に回すと、いざというときに売らざるを得なくなります。
私は目的別に口座を分けて、機械の修理代を先に取り分けています。順番としては、①生活費、②突発の出費に備えるお金、③それでも余る分を投資、です。
本業自体がリスクを抱えている
農業は天候に左右されます。霜、雹、台風、猛暑。本業の収入がすでに不安定です。
だからこそ、資産運用の側では冒険しない方がいいと考えています。本業で十分にリスクを取っているのだから、投資の側まで振れ幅を大きくする必要はありません。私は積立を淡々と続ける形にしています。
まとめ
- 農家の資産運用は、SBI証券か楽天証券の二択で十分
- 選んだ理由は、手数料の安さ・商品の多さ・対面不要・営業されないこと
- JAバンクや郵便局が悪いのではなく、役割が違う。本業まわりはJAが使いやすい
- ただし窓口で買うなら「信託報酬は年何%か」「何本の中から選んだか」は必ず確認する
- 商品の豊富さならSBI証券、画面の見やすさなら楽天証券。私はSBIをメインにしてNISAもこちら
- 迷ったら両方開いて構わない。開設は無料
- 農家は収入が年一回に偏るので、月々の積立額は年間から逆算して少なめに、続けられる額で
- 投資に回すお金と、突発の出費に備えるお金は分ける
- 本業で十分リスクを取っているので、運用側で冒険しない
ご注意
本記事は筆者個人の経験と考えを書いたものであり、特定の金融商品や金融機関を推奨するものではありません。投資には元本割れのリスクがあり、最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。手数料・取扱商品・キャンペーンの内容は変更されることがありますので、必ず各社の公式サイトで最新の情報をご確認ください。